建築レクチュアシリーズ「217」 田根剛

少し前ですが現在フランスで活躍されている田根剛がご登壇される建築レクチュアシリーズ「217」を拝聴しに行きました。実は田根さんの講演会は初めてではなく今回は2回目で、前回は京都のJIA主催の講演会を聞きに行きました。今回は対話型でのレクチャーなので、前回とは違ったことが聞けるのではないかと思い再び聞きに行きました。

当日、会場は学生を中心とした若い人が多く超満員となっていました。会場に入れなかった人もいるみたいで、会場前のモニターで観覧する人もいたそうです。1つ不服な点として、会場に早く入ると座席の真ん中一帯が大量の『関係者席』になっており、早く来た人は極端に前の方が両側サイド側にしか座れません。しかし、時間が過ぎると大量の『関係者席』が一般の席として解放されるので後から来た人の方が真ん中のいい席に座れるという逆転現象がいつも起きています。これにはいつも不快な気分になります。。

田根さんは『Archaeological Research』という独自の考え方で建築を作っています。建築を作る際に未来のことを予想して作るのではなく、一旦、その建築に関わることを過去に遡って徹底的にリサーチすることで、その土地にあった建築を作り出しています。

現在は世界各地でプロジェクトを行なっており、京都でもプロジェクトが動いているそう。

田根さんは北海道の大学に通っていた大学時代は田根本人さん曰く優秀だったそうで、2年生の時には3年生の建築課題を全て終わらせていたのだとか。藤本壮介さんも田根さんと同じく自分で優秀と公言される建築家だそうで会場に笑いが起きていました。ちなみに田根さんは藤本壮介さんの事務所の初めてオープンデスクに来た学生だったらしいです。天才はやはり天才に惹きつけられるのでしょうか。

レクチャーでは『エストニア国立博物館』、『古墳スタジアム』、『Todoroki House in Valley』、『LIGHT is TIME』についてお話されていました。『エストニア国立博物館』、『古墳スタジアム』、『LIGHT is TIME』は前回行った講演会で聞いたことがあったのですが、今回は特に印象に残ったのは『Todoroki House in Valley』のプロジェクトでした。この住宅も『Archaeological Research』の考え方で作られており、世界の住宅の歴史まで辿ります。世界にはDRYとWETな住宅があり、このTodoroki HouseではそのDRYとWETの合体が試みています。このプロジェクトの解説は本当に目から鱗で、完成した住宅も新しいさと人間味のある生活空間でとても興奮しました。

今回のレクチャーで思ったのが、田根さんの建築は一見奇抜で突拍子もないアイデアかと思いきや、リサーチを行なって過去の歴史から得られたヒントを論理的に未来へと建築のアイデアに組み立てているので、とても聞いていて納得感のある建築でした。他の建築家はその人の価値観や経験に基づいて建築が作られているのに比べ、田根さんは客観的事実に基づいて、田根さんの価値観で建築を組み立てていくスタイルにとても新鮮さを感じました。田根さんの様な新鮮さを覚えた建築家は他には今までいなかった様に思います。今回のレクチャーで田根さんの大ファンになってしまいました。2018年10月18日からはTOTO ギャラリー・間で『田根 剛:Archaeology of the Future ― 未来の記憶 Search & Research』が開かれるのでそれもとても楽しみですね。

建築狩り

大阪在住。独学で二級建築士を取得しました。現在はデザインや建築に携わっています。関西を中心にデザインや建築の情報や勉強のノウハウについて書いていこうと思います。

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